地図にはさまざまな種類があります。縮尺の種類や載っている情報の種類などによって分類されています。
今回は、たくさんの種類の地図のうち日常生活で見たり、触れたりする機会が多い「地形図」について解説したいと思います。
地形図とは?
ある場所(地点)の位置、標高、何があるかを表した地図。
では、それぞれどのように表されているのか見ていきましょう。
位置について
位置は経度と緯度で表されます。
GRS80(Geodetic Reference System 1980:測地基準系)で地球楕円体の形状や軸の方向および地球重心を楕円体の原点とすることが定められています。
経度と緯度の基準はそれぞれ本初子午線(グリニッジ子午線)が経度0度、赤道が緯度0度と決められています。経度は0度から東西へ180度ずつで地球一周、緯度は0度から南北90度で極地(北極、南極)に到達できるようになります。
ちなみに日本は東経122度~154度、北緯20度~46度に位置しています。標準時子午線は東経135度とされています。
日本では、2002年3月までは日本測地系という独自の基準が定められていましたが、同年4月からは日本測地系からGRS80での表示が法律で決められました。携帯電話のGPSには、WGS84(World Geodetic System:世界測地系)が使われています。名前は違いますが、実用上はGRS80と変わらないそうです。
標高について
標高は等高線で表されます。等高線とは、同じ標高の点と点を結んだ線のことです。
等高線を引くためには、基準が必要です。日本の基準は東京湾の平均海面(T.P.)とされています。
このT.P.を基準に日本各地の地形図の等高線は引かれています。
何があるのか
何があるのかを表すためには「地図記号」が使われます。
地形、道路、土地や施設などの状況を表現するための記号のこと。
例えば、畑は以下の記号で表されます。
ほかにもたくさんの種類の地図記号があるので、興味がある人はご覧ください。
参考 地図記号一覧国土地理院活用方法
活用方法をいくつか紹介していきます。
登山計画
登山計画をたてるときに地形図を使うことがあるそうです。
等高線の引かれた地図を見てどこから登ると少しでも安全かどうかを等高線の感覚を見て判断します。
等高線の間隔が狭ければ傾斜が急で、間隔が広ければ傾斜が緩いといえます。登山では比較的傾斜が緩いほうがいいので、どこから登って下山するのかなどの登山計画を立てる際に地形図は大活躍です。
カーナビ
位置についてのところで少し紹介しましたが、WGS84という基準がGPSに使われています。GPSはカーナビやスマホの地図アプリに活用されています。どこにどんな建物があって、どんな地形なのかを私たちに教えてくれます。
活用方法はほかにもたくさんあるので、ぜひ皆さんも身の回りにある地形図や地形図が活用されているものを探してみてください。
地形図は以下から見ることができます。
参考 地理院地図国土地理院