はじめに
日本の総人口は2008年の1億2,617万人のピークを境に減少に転じている一方、65歳以上人口が総人口に占める割合は年々増加している傾向があります。
人口減少や少子高齢化社会の影響は様々なものに影響を与え、特に小さな集落や町の機能の低下が危険視されています。
みなさんは少子高齢化対策として言われている『小規模多機能自治』についてご存知ですか?
これは人口減少や高齢化が進行する可能性のある集落で行われるものであり、小規模であるものの様々な機能を持った自治の仕組みのことを指しています。
今回は小規模多機能自治が従来のまちづくりと比較してどのような特徴があるのかを説明していきます。
積極的な住民参加型の機能
一つ目の特徴は積極的な住民参加型の機能を持つ自治であることです。
従来のまちづくりの形態では行政から住民へサービスが提供されることが当たり前でしたが、小規模多機能自治の場合はサービスについて協働(対等な立場で協力)することが可能になります。
行政は地域の実態や住民からの意見を踏まえた施策展開が可能となるほか、住民のまちづくりに対する意識を高めることができるため、有効的な手段と言えます。
従来の自治組織の見直し
二つ目の特徴は従来の自治機能の見直しです。
現在、どの地域にも自治機能として自治会、町内会、消防団、PTA等の様々な目的に応じた組織があります。
小規模多機能自治では、そういった別々の機能を持った自治組織を小学校区単位で再編し、住民自治の組織を形成します。
従来の個別に存在していた組織をまとめ、地域の取り組むべき課題に対して幅広く対応できる形態を創ることで、小規模多機能自治を目指すことができます。
全国規模での事例の増加
三つ目の特徴は全国規模での事例の増加です。
日本は少子高齢化への対策として全国的に小規模多機能自治の形成を推進しています。
また、日本各地へ小規模多機能自治を広げるための全国組織も存在するほか、情報交換会も頻繁に行われていることからまちづくりを行いやすい環境が整いつつあります。
それぞれの組織が情報発信を行い、小規模多機能自治の知名度が上がることでまちづくりの選択肢の増加を見込め、事例を参考に選択することができるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか
小規模多機能自治が従来のまちづくりと異なり特徴的な点は
- 積極的な住民参加
- 従来の自治組織の見直し
- 参考事例の増加
であると言えます。
冒頭でも説明された通り日本の人口は減少傾向にあるため、今後ますます『小規模多機能自治』という言葉を耳にする機会が増えると考えられます。
持続的な社会への関心が高まっている背景もあり、一人一人がまちについて関心を持ち、行動していく必要があるのかもしれません。