はじめに
普段みなさんが目にする道路は黒色でザラザラした「アスファルト」というものでできています。
厳密にいえば石や砂などを混ぜ合わせた「アスファルト混合物」という言い方をします。
みなさんは世の中にはコンクリート、石、レンガなど様々な建設材料があるにも関わらず、なぜアスファルトが採用されているか疑問に持ったことはありませんか?
結論から言うと、都市や町の道路を舗装する際に都合のよい性質を持っていたからです。
人類が道路に舗装を始めた歴史は古く、エジプト文明や古代ローマまで遡ります。
今回は代表的な建設材料であるアスファルト・コンクリートの2種類のメリット・デメリットを比較し、なぜ道路はアスファルトでできているのかを説明していきます。
アスファルト
日本では明治時代から自動車交通の発展とともにアスファルトによる舗装が始まりました。
メリット
〇コンクリートに比べて安価
アスファルトはコンクリートと比較すると安価であることから、用いられやすい建設材料となっています。
〇走行性能がよい
アスファルトは温度が下がると硬化しますが、ある程度弾性を持つため静かに走行することができます。
〇施工性がよい
短期間で施工が可能であることや、欠けた部分に補填が容易なことから施工性がよいと言えます。
デメリット
〇比較的もろい
アスファルト自体が柔らかいため、わだち掘れ(道路のへこみ)や欠損が起きやすいです。
〇熱に弱い
アスファルトは黒色に近いため、猛暑の際は高温になることがあるほか、アスファルト自体が熱で軟化し、変形する可能性があるため危険です。
アスファルトは経済性、施工性、走行性に優れた材料であるため、道路に多く用いられています。
特に道路交通の流れを止めないため、素早く施工することができる点が最大のメリットといえます。
しかし、材料自体はもろく、頻繁に点検や補修を行う必要がある点がデメリットと言えます。
コンクリート
現代の日本では、コンクリートによる舗装はトンネル、空港などの路面に用いられます。
メリット
〇耐久性がよい
コンクリートの最大のメリットとして、長期間の使用が可能である耐久性の良さが挙げられます。
〇温度上昇を抑えられる
コンクリートは白色に近く、光を反射するため路面の温度上昇を妨げます。
デメリット
〇施工に時間がかかる
コンクリートは施工時の養生が必要になるため、施工期間が長く、費用も多くかかります。
コンクリートは耐久性に優れた建設材料であり、長期的に考えた場合はアスファルトよりも経済的であると言えます。
施工に時間がかかることから、一般的な道路には不向きなものの、飛行機の滑走路やトンネルの内部などの補修が難しい場所で用いられることが多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
道路舗装する建設材料であるアスファルト、コンクリートにはそれぞれメリット・デメリットが存在しました。
短期的な整備はアスファルトの方が優れるものの、長期的な整備ではコンクリートの方が優れていたため、場所の性質に合わせた材料の決定が重要となります。
道路は交通に直接影響を与えるため、施工時間が短く、補修もしやすいアスファルトが用いられることがわかります。