2040年、道路の景色が変わる~道路の役割の再考~

はじめに

コロナ禍は、私たちの生活スタイルや社会経済構造の変革を加速し、新しい日常が生み出されていくことでしょう。すでに欧米各国ではポストコロナの社会を見据え、社会的距離を確保するために都市部における道路空間を再編成し、歩行者や自転車の通行空間を拡大するなど道路インフラやその利用方法を変革する取り組みが行われているそうです。日本でもこのための議論を早急に開始しようということで国土交通省から文書が発行されていました。今回は、その一部を読み解きながら、道路の未来を考えてみましょう。

道路の景色はどう変わる? ~5つの将来像~

文書では5つの将来像を予測しています。

通勤帰宅ラッシュが消滅

通信の高速大容量化が進展し、テレワークやホログラム(投影)技術によりあたかも相手が目の前に居るかのようなバーチャルコミュニケーションが普及する。人と人とが直接会うことは、より高い価値が創出されるシチュエーションに絞られる。これにより、満員電車による通勤等の義務的な移動が激減する。居住地から職場までの距離の制約が無くなり、自然や観光資源の豊かな郊外や地方への移住・定住が増加する。

5Gも少しずつ導入されているので、今まで以上にオンライン化が進みそうな気がしますね。私自身も大学のオンライン授業を受けていますが、スマートフォンかパソコンがあってネット環境もあれば、どこでも授業を受けることができる状況にはなっています。最初は戸惑うことも多かったですが、慣れてしまえばむしろオンラインのほうが快適です。

公園のような道路に人が溢れる

旅行、散策、健康のためのウォーキングやランニング等、「楽しむ移動」が増加する。通勤においても、 あえて徒歩や自転車で移動する人が増加する。 「楽しむ移動」に加え「楽しむ滞在」も増加する。人が滞在したり休憩したりできるビュースポット やベンチ、オープンカフェ等が道路上に現れる。人のための空間が拡大し、公園と一体化した道路も 出現するなど、人がより外出したくなる道路空間が生まれる。国土面積の約3%を占める道路空間 が壮大な「アメニティ空間」としてポテンシャルを発揮することにより、まちそのものの景色も 変わる。

これが実現すれば、まちの景観が今とは異なるものになりそうですね。「移動を楽しむ」ことは今までになかった考え方で、コロナ禍によって変化したといえるのではないでしょうか。公共交通機関が今とは違う様相を見せてくれそうでワクワクします。

人・モノの移動が自動化・無人化

車による人の移動は「自動運転車による移動サービス」に担われることになる。自動運転車の普及 により交通事故は劇的に減少し、安全な道路空間が出現するとともに、マイカー所有のライフスタ イルが過去のものとなる。 eコマースの浸透により買い物目的の人の移動が減少する一方、物流の小口配送が増加する。自動化 の進展が無人物流を普及させ、「小型自動ロボット」や「ドローン」が道路やその上空を自在に移動する。 輸送コストが低下することで、ODペアが爆発的に増加する「超多頻度小口輸送化」し、データによる 物流の需要予測が不確実な社会となる。 道路には、これら人の乗換やモノの積卸等を行う大小のハブ(拠点)が出現する。

現在も運転をアシストしてくれる自動車がありますが、「自動運転車による移動サービス」が普及すれば、交通事故はかなり減ると思います。また、通勤や通学のストレスも軽減されるのではないでしょうか。

店舗(サービス)の移動でまちが時々刻々と変化

完全自動運転の実現により、営業しながらの移動が可能となった飲食店、医院、クリーニング、スーパー、 教育施設等の小型店舗型サービスが、顧客の求めに応じて道路を移動するようになる。それらの店舗は、 曜日や時間に応じて、道路の路側に停車し営業を行う。 中山間地域では、移動小型店舗が、道の駅等と連携し、買い物や医療等の日常生活に必要なサービスを提供する。

完全自動運転の実現により少しずつ都会と地方の格差が解消されそうな気がします。わざわざ移動しなくても店が移動して自分のところに来てくれるようになるのは、まさにネットショッピングの新しい姿のような気がします。Uber Eatsは、営業しながら移動する店の先駆け的な存在ですね。

災害時に「被災する道路 」から「救援する道路 」に

道路ネットワークが平時にも災害時にも安定的に機能を発揮する。耐災害性能が強化された 道路ネットワークは、災害発生時には速やかに災害モードに切り替わる。災害時のオペレーションに 必要な電力及び通信は途絶せず、避難、救援、物資輸送等に係る交通が確実にモニタリング・誘導 され、人命救助、被災地の速やかな復旧に最大限の力を発揮する。

毎年、全国各地で豪雨災害が起こっている日本では「救援する道路 」の実現は急務なな気がします。道路によって救われる命は多いと思います。また、現場の最前線で活躍されている方たちの負担も軽減されることでしょう。

国土交通省の文書は以下から見ることができます。

参考 01.PDF2040年、道路の景色が変わる〜人々の幸せにつながる道路 〜

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