ドローン活用の本当の実態、知ってますか?

はじめに

今回の記事では、現場の技術者による、実際の現場におけるドローン活用の実態のリアルを紹介していきます。

皆さんは、おそらくドローンと言うとかなり色々使われているのでは無いか、と思われがちですが、実際はそうでもないのと(特定の作業であれば使われるが・・・)、同時に、土木の生産性向上のヒントについても触れたいと思います。

ドローンの活用事例は、ネットで探せばすぐ見つかると思うので、今回は現場を経験している技術者目線で、「実際はどうなの?」を紹介します。

橋梁点検にドローンは今のところあまり使えない&高額

現代の日本の法律では、橋梁点検業務が5年に1度のタイミングで義務付けられています。その結果に応じて、橋梁の補修設計業務(あくまで従来の保有性能まで回復させる設計を行う業務)や、耐震設計業務(従来保有していたであろう性能よりも更に性能を向上させる設計を行う業務)が発注されます。

点検業務は、点検とその評価だけなのですが、補修設計では、それに加えて、どこをどう補修するか、耐震設計では、どこをどう耐震化するかを調べます。

なので、全ての維持管理系業務には点検という橋梁調査が行われるのですが、地方ではそのほとんどはきっと協力会社とタッグを組んだ人海戦術だと思います。

特に、地方の橋梁は草木に囲まれていることが多いので、(最低限の)伐採から始まり、橋梁の傷をひび割れ幅ごとにチョーキングして、それをスケッチして、最終的にCAD図面化します。

ドローンで撮っちゃえば一発じゃんという人が居ますが、ドローンで撮るには、安全航行のため、周囲の草木を多めに伐採しないといけません。また、人への被害を防ぐのはもちろんですが、ドローン本体の安全も確保しないといけません。そんなこんなで制約条件が多く、ほとんど活用されないのが実態です。

また、ドローンのカメラは一般的に上向きに写真を撮影することが不可で、橋梁の桁下のひび割れ状況をドローンで撮ることが出来ないです。桁下状況のひび割れを確認する作業が一般的に量としては多いので、そこを効率化出来ない今、なかなか外業の効率化というのが問題になっています。

しかし、実は最近上向きのドローンが発売され、なおかつそのドローンは橋梁点検を意識したものになっており、桁下を自分で障害物を避けて状況を写真撮影するものも出ています。しかしその費用は非常に高く、従来方法の方が安く確実に出来るため、なかなか導入されていないのが実態です。

そのほか、パソコン画面上でひび割れをなぞる事が出来るサービスなど、多種多様出ていますが、実際それらの値段は非常に高額であり、実はほとんど流行っていません。

また、協力会社との付き合いもあるため、便利になってしまうと、その協力会社の仕事を減らすことにもなるので、導入を渋る企業も多いようです。

いろいろ世間事情というのは複雑で難しいものです。

ドローンは風が強ければ使えない!

ドローンは、プロペラを高速回転させて飛行する機械です。当然外で飛ばすわけですが、天気の状況によっては、使えないことがむしろ多いですし、日を選びます。例えば風が一定数値以上高ければ使えませんし、季節によってはそのシーズン一切使えないこともあります。

そして、雨は当然ダメです。また、飛行させるには有資格者が要るため、簡単には飛ばせません。そのほか、飛行可能区域等の制限もあり、飛行できるタイミングが限られているのが実態です。

反面、例えば地上型レーザースキャナーは、雨はダメですが、風が強くても関係なく計測は出来ます。

ドローンだけでは、融通が利きませんが、そのほか便利な機械を複数持ち合わせて、それぞれをメリットを組みわせて運用する会社が殆どです。

土木の生産性向上のヒントは外業には無し!

以上に述べたことは、実はあくまで建設コンサルタントといった業種の立場からの意見です。施工会社側の人であれば、例えば日々変わる盛土切土の様子を毎日ドローンで空中撮影することで、手軽に日々の土量変化を計測出来ます。そのほか、工事屋さんは、現地を丸裸にするので、建設コンサルタントと違って、障害物が比較的少ないため、ドローン活用は多いかと思われます。実は、ドローンだけでなく、3次元技術に関すること全てにおいて、施工会社さんの方が進んでいます。

一方、建設コンサルタントには、あまり活用がされていないのも事実です。つまり、施工会社は、外業の生産性も上げる機会も多いわけですが、一方、建設コンサルタントの外業の生産性を向上する良い方法はあっても、どれも高額なものばかりで、実際の現場のニーズに合っていないものが残念ながら多いです。

しかし、建設コンサルタントの場合、外業より内業のほうに、生産性向上のヒントが詰まっています。

また別の機会で、生産性向上のヒントを建設コンサルタントの内業に絞って紹介したいと思います。

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