あなたは地元のハザードマップを見たことがあるでしょうか?ハザードマップとは避難所や災害が起こりうる可能性のある場所を表示するものです。危険箇所や災害が発生したときにどこに避難すればよいのか、また災害が起きた時どの地域を避ければよいのかが分かる、大事な防災資料です。今回はハザードマップについてのお話です。
ハザードマップの作られ方
そもそも誰がどうやってハザードマップを作っているのでしょうか。ハザードマップについては、災害の種類ごとに法律で被災する可能性がある自治体は作成が義務付けられています。国土交通省、地方自治体といった公的のものの他に、保険会社が保険提案のために公開しているものもあります。
1.まずいつどこで誰が使うのかを決定します。縮尺は、各家庭が判別できるように1/10000から1/15000といった大きなものが使われます。
2.紙か、オンライン上の二種類に分けられます。作る際には、GISと呼ばれる地理情報システムの利用が、近年では主体です。これは地形や交通などの地理情報を、コンピュータ上で可視化し、情報の関係や傾向をつかむものです。
3.このGISで災害の傾向をつかみます。基図となる地形図は、国土地理院が提供する基盤地図情報や、国土交通省が提供する国土数値情報等を利用します。
4.さらに過去に起きた災害の被害情報も利用します。災害は規模ごとに色分けがなされ、地図上に重ねられます。災害規模の表示などで使われる配色は、国土交通省により標準のものが出ていますが、地域特性等の理由により改変しても構わないこととされています。
5.想定される災害の情報と、自治体から指定された避難場所の位置や避難路を合わせて完成します。
ハザードマップの種類
ハザードマップの種類は、災害の種類に対応しますが、主に
- 土砂災害 (例:横浜市土砂災害ハザードマップ)
- 火災 (例:中野区防災地図)
- 河川浸水 (例:重ねるハザードマップ)
- 津波・高潮(例:重ねるハザードマップ)
- 地盤 (例:いなぎガイドマップ・防災マップ)
- 震度 (例:港区ハザードマップ)
- 火山噴火 (例:火山ハザードマップデータベース)
等が挙げられます。種類ごとに一例を示したので、リンク先でそれぞれご覧になれます。
ハザードマップの意外な使い方
現在私たちは、自分が住んでいる地域が災害に遭うとどうなるかということを知るために、ハザードマップを利用しています。その一方で、これとは別のハザードマップの使い方があります。それは物件探しの時です。引っ越しの時に私たちは賃貸料や利便性広さ等を見て、物件を決めるでしょう。その時にハザードマップも見れば、不必要に災害に合いやすい場所をさけて生活することが出来ます。特にその場所に長く住むことが決まっている場合、リスクを減らせる確率が高まります。
参考文献
1「ハザードマップ」esriジャパン(参照2020年2月16日)
2「水害ハザードマップ作製の手引き」国土交通省水管理・国土保全局河川環境課水防企画室平成28年(参照2020年2月17日)
3「ハザードマップポータルサイト」国土交通省(参照2020年2月17日)
4「GISとは」esriジャパン(参照2020年2月18日)
5「 横浜市土砂災害ハザードマップ」横浜市建築局企画部防災課,2019年,(参照2020年2月18日)
6「 中野区防災地図」中野区,2019年,(参照2020年2月18日)
7 「重ねるハザードマップ」国土交通省,2019年,(参照2020年2月18日)
8 「いなぎガイドマップ・防災マップ」稲城市,2019年,(参照2020年2月18日)
9 「港区ハザードマップ」港区,2020年,(参照2020年2月18日)
10「火山ハザードマップデータベース」国立研究開発法人法人 防災科学技術研究所(NIED),2016年,(参照2020年2月18日)