図と地とは

ドボク大学の望月です。

今回は、デザインや身の回りにも存在する「図」と「地」についてまとめていきます。

デザインだけでなく、景観や都市計画の範囲でも少し参考になるかもしれません。

 

前提となる知識「ゲシュタルト心理学」

 

「図と地」の前提となる知識が「ゲシュタルト心理学」です。

ゲシュタルト

“ゲシュタルトはドイツ語で「形態」という意味である。20世紀初頭にドイツで怒った心理学の一派で”ある。

『ゼロから学ぶ土木の基礎 景観とデザイン』佐々木葉著  オーム社 より引用

景観とデザイン Civil Engineering (ゼロから学ぶ土木の基本) [ 佐々木葉 ]
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一番感覚的に分かりやすいのは、「ルビンの壺」です。

http://tyairopanda.com/2017/11/07/%E3%81%93%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%AA%AD%E3%81%BF%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BC%81%E5%AE%BF%E9%87%8E%E3%81%8B%E3%81%BB%E3%82%8B%E3%80%8C%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%A3%BA%E3%81%8C%E5%89%B2/ より引用

 

この「ルビンの壺」は、

”黒い部分に注目すると壺があるように見え、白い部分に注目すると顔が2つあるように見える”

という形の見え方は眺める人によって異なるという性質を用いた絵です。

この絵に用いられているのが、ゲシュタルト心理学です。

 

ゲシュタルトが提唱される以前は、”人の近くや理解は、個別の刺激に対する反応の総和のように捉えられてい”ました。

その一方で”「個別要素には還元できない全体的な枠組み(ゲシュタルト質)に寄って規定される」

と考えたのがゲシュタルト心理学”です。

(一部前出の『ゼロから学ぶ土木の基礎 景観とデザイン』より引用)

 

 

図と地

図と地とは

 

このゲシュタルト心理学から派生した考えられるのが「図と地」の概念です。

「図」とは絵や写真・風景を眺めたときに形として浮かび上がって見える部分や領域のことを指し、

「地」とは図の背後に広がる部分のことを指します。

 

つまり、先ほどのルビンの壺では、この「図」と「地」が反転しやすく、

黒い部分が「地」の時は白い部分が「図」となり、

逆に白い部分が「地」の時は黒い部分が「地」になるわけです。

 

この「図と地」にはそれぞれ特徴があります。

図の特徴

・形を持っている

・眺めている人の近くにあるように感じる

・地と比較して印象的に感じる

 

地の特徴

・形を持たない

・図の背後にあるように感じる

 

また、次のような形のまとまりでは、「図」と感じやすくなります。

 

 

・近くに分布するまとまり

・色や形が似ているまとまり

・形が閉じているまとまり

・シンメトリーや規則的なまとまり

図と地をデザインする際には、まとまりにも注意する必要があります。

 

景観の中の図と地

 

それでは、この「図と地」はどのような場面で認識されるのでしょうか。

その1つ目は、「景観」の中の「図と地」です。

 

 

上の写真では、緑の中に規則的な道が斜めに走ることで、「図」となって浮かび上がってきていますね。

さらに左下にある木も1つだけ形を持っており、「図」として浮かび上がって見えます。

 

このように眺めや景観にも「図と地」を適用することができます。

 

“図の道”と”地の道”

 

景観の一方で、道にも「図の道」と「地の道」があると『見えがくれする都市』で紹介されています。

 

 

上のように、

「図の道」は”ある地区をイメージした場合、そこに置かれた道が図として浮かび上がってくる場合”であり、

「地の道」は図と地の関係が逆転した場合の道です。

右の道は建物や土地のラインによって道が浮かび上がる様子がわかると思います。

『見えがくれする都市』槇文彦著 SD選書 より引用

見えがくれする都市 江戸から東京へ (SD選書) [ 槇文彦 ]
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このように「図と地」の考え方は、様々な場面に適用できます。

皆さんも何かをデザインする際には、気をつけてみてください。

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