はじめに
圧力と聞くと、大気圧や水圧をイメージする人が多いと思います。
実は、土木の世界では水圧はもちろんですが、土による圧力も存在します。
今回は、土による圧力について解説していきます。
土圧とは?
土圧とは、読んで字の如く土の圧力のことです。
土の圧力と聞いてもなかなかイメージしにくいので、日常に存在する土の圧力を紹介していきます。
・擁壁
地盤の崩壊を防ぐために急勾配の斜面に設置する壁のことです。
図のように擁壁は地盤からの圧力を受けています。
・建築物地下壁
建築物の地下壁は図のように地盤からの圧力に対して変形しないように設計されています。
土圧には3種類ある
土圧には、静止土圧、主働土圧、受働土圧の3種類があります。
それぞれ解説していきます。
静止土圧
初期状態のことを静止状態といい、このときのσ’hを静止土圧と言います。
主働土圧
図のように地盤が初期状態(黒枠)から水平方向に広がるような変形を生じて限界状態(赤枠)に至っている主働状態を想定します。
このときのσ’Aを主働土圧と言います。
受働土圧
図のように地盤が初期状態(黒枠)から水平方向に圧縮されるような変形を生じて限界状態(赤枠)に至っている受働状態を想定します。
このときのσ’Pを受働土圧と言います。
それぞれの土圧には求め方がありますが、次回以降解説したいと思います。
どんなとき使われるのか
算定した土圧をもとに土圧とは?のところで紹介した擁壁の設計に用いられます。
山沿いの道路で見かける擁壁には今回紹介した土圧が隠れているのです。
今回のように土木に隠された力学を探してみると面白いと思います。